日吉台地下壕保存の会の紹介


日吉台地下壕保存の会の発足

 慶應義塾日吉キャンパスの地下に長大な地下施設があることは、はやくから一部の教職員に知られておりましたが、危険防止のため校地内の入口は封鎖されていたため、その実態は一般には知られていませんでした。

 かつて慶應義塾高校の生徒有志が調査研究を行い、報告集『わが足の下』(1969年)にまとめたことはありましたが、戦後40年間、本格的調査は行われませんでした。

 地下壕の内部はかなりの部分が土砂と泥水に覆われていて、コンクリートの劣化も進んでいました。

 85年から学内教職員有志による壕内の調査や聞き取りがはじまると、この地下壕は歴史的にも土木工学的にも大変重要な施設であることが分かってきました。そこで慶應義塾教職員と地域住民が一緒になって、貴重な地下壕を保存するために、1989年4月に「連合艦隊日吉台地下壕の保存をすすめる会」(現・日吉台地下壕保存の会)を発足させました。

 以来、今日までさまざまな活動を続けています。


日吉台地下壕保存の会の活動

◎日吉台地下壕を史跡として保存する運動を積極的にすすめる。

◎日吉台地下壕に関する調査・研究をすすめる。

◎日吉台地下壕を史跡として保存し、その意義を市民に広め、永く後世に語り伝えられるようにする。

◎日吉台地下壕の保存とともに、戦争と平和の問題を考え、学習できる「平和資料館」を建設する運動をすすめる。

◎会報、資料集などの発行する。

◎関連する他の団体と協同して戦争の歴史を後世に伝える。


見学者の案内


 慶應義塾日吉キャンパスの連合艦隊司令部地下壕を中心に日吉の戦争遺跡見学会を実施し、いまでは年間2000人以上もの見学者を案内しています。

 2000年春、慶應義塾による壕内の整備がすすみ、小学生でも安全に見学できるようになり、総合学習や調べ学習に訪れる小・中・高校生も増えています。


調査研究と学習


 慶應義塾日吉キャンパスとその周辺の戦争遺跡について、当時、それらに実際にかかわっていた元軍人や軍属の方々から聞き取り調査や学習会を重ねています。

 また、専門家の指導を受けながら考古学的調査もすすめています。


展示会などの開催

 92年から、県内の他団体と協力して、「横浜・川崎平和のための戦争展」を開催しています。展示と講演をあわせたイベントです。この「戦争展」に足を運ぶ多くの人たちに戦争遺跡(地下壕)保存の重要性を訴えています。


戦争遺跡保存全国ネットワークに参加

 97年7月に結成された戦争遺跡保存全国ネットワークの設立にあたっては、その中心団体の一つとして協力し、以後も積極的に活動に参加してきました。毎年夏に開催される全国大会にもつづけて参加し、学習と交流を深めています。

 2001年8月4〜5日には、日吉台地下壕保存の会が中心となって、川崎市平和館を主会場に第5回戦争遺跡保存全国シンポジウムを開催し、澤地久枝氏の講演会のほか、研究報告会、展示などを行いました。このシンポジウムには全国から600人以上が参加しました。また、2011年8月6〜8日には、慶應義塾大学日吉キャンパスで第15回大会を開催し、全国からやはり延べ600人以上が参加しました。


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