解体の進む航空本部等地下壕東側入口の状況(2013年4月18日〜5月1日現在)




 日吉台地下壕航空本部等地下壕東側にある4つの入口の1つが壊され、4月末に擁壁のコンクリートの裏側になりました。宅地造成のための開発工事によります。10年前もマンション建設のための開発工事計画がありましたが、住民反対運動もあり中止していました。その開発許可の有効期限ぎりぎりの2013年3月下旬から工事が突如始まりました。

 この付近に壕の入口が4カ所あることがわかっていました。そのうち2カ所は入口の上部のみが地表に露出し所在がわかっています。他の2カ所は埋もれたままで正確な位置は特定できていません。
その他に当時何かの目的で使用したと思われるコンクリートの構造物が1つあります。今回は地表に見えている1つの入口(7a)が壊され、擁壁の裏側になりました。また今回の工事でもう一つの構造物が新たに見つかりました。おそらく沈殿槽として使われたと思われます。この沈殿槽も破壊されています。

 民有地にある文化財の保存は行政の責任で行うことです。ここに地下壕の入口があることは直接の担当である横浜市教育委員会は把握をしていましたが、調査はしてきませんでした。この10年間に保存の手立てを怠ってきたことにより、このような事態を招いたと思います。国の文化財保護の部署である文化庁は戦争遺跡の調査を10年以上前にしましたが、その結果を未だに公表していません。

文化庁は今回の事態に地元自治体から声が上がってこないと何もできないとコメントしています。また、県や市の文化財課は国が戦争遺跡を文化財として認めないために何も出来ないとコメントしています。国、県、市すべてが本当に貴重な文化財を保護しようとしているか疑わしく思える態度です。その間に文化財がどんどん失われていきます。

 平和な日本をつくるためにも『戦争の生き証人』である日吉台地下壕群を保存活用しなければならないと考えています。今回の工事では1つの入口は壊されましたが、まだ3つの入口は残っています。これ以上の開発工事が進まなければ保存できます。そのために横浜市はこの日吉台地下壕群を『周知の埋蔵文化在包蔵地』としてリストに載せ、新たな工事計画を認めないようにお願いします。

 また皆さまからも横浜市に要望なり意見を届けてください。
 横浜市は『市民からの提案』という声を聞く窓口があります。以下のアドレスです。
http://www.city.yokohama.lg.jp/shimin/kochosodan/kocho/teian/

写真は地下壕入口(7a)、その地下壕入口内部、沈殿槽です。























沈殿槽跡






























※定期見学会のエリア(連合艦隊司令部地下壕)は慶應義塾敷地内のため整備されています。


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